April 28, 2021 CVC Japan - Innovator & Startup Founder Talk

 【イベントレポート】CVC Japan - Innovator & Startup Founder Talk

 

日時

2021年4月28日(水) 11:00~12:00

場所

Zoom開催

登壇者

ゲストスピーカー:

Beatrust株式会社 代表取締役社長 原邦雄さん

 

 

ファシリテーター:

坂本教晃さん(東京大学エッジキャピタル)、大出歩美さん(500 Startups)、

中川高之さん(CBS1年生)

協力

コロンビア大学日本同窓会、コロンビアビジネススクールクラブ

内容

 元グーグルジャパン執行役員で、現在はご自身で起業されたスタートアップのBeatrust株式会社を経営されている原邦雄さんをお招きし、そのユニークなキャリアと、どのような想いでそのキャリア選択に至ったかを語っていただきました。

第1部:原さんからご自身のキャリアについてプレゼンテーションいただきました。

第2部:ファシリテーターの坂本さん(東京大学エッジキャピタル)との対談形式で、原さんのプレゼン内容を深掘りしながら、原さんの想いをより深く語っていただきました。

第3部:参加者からの質問にも快くご回答いただきました。

 

 

 

 

第1部:原さんのプレゼンテーション

原さんのご経歴

●      住友商事に入社。私費留学で挑戦する覚悟で準備を進めたものの、最終的には社費派遣生としてコロンビアビジネススクールに2年間留学。卒業後は住友商事に戻り、3年間に渡り海外事業投資やM&Aに携わる。

●      ソロモン・ブラザーズ(外資系投資銀行)からオファーをもらっていたが、孫正義さん(現ソフトバンク社長)の人柄に惹かれてソフトバンクに入社。約3年半に渡り、孫さんと共にITインフラ事業に奔走。

●      テクノロジーを生み出している側の仕事へ興味から、コンピュータグラフィクス分野で優れた技術を持つシリコングラフィクスへ転職。1996年からシリコンバレーオフィスに参画。

●      2000年にシリコンバレーでご自身のコンサルティング会社を起業。ベンチャーキャピタルを客先とし、その投資先の海外支援をサポートする事業を展開。

●      アメリカでのコンサルティング業を閉めた後、2006年に日本で2回目のスタートアップを創業。デジタルマーケティング事業を展開したものの、リーマンショックの煽りを受けて資金調達ができず大変な困難にぶつかる。最終的には大手ITメディア会社に事業譲渡。

●      2009年に日本マイクロソフトに入社。

●      2012年にGoogle Japanに入社。広告営業の責任者のポジションから始まり、その後ジョブチェンジしてStrategic Relationshipsチームの統括を務める。Googleがやっていることをより広く世間に理解してもらうことや、日本にインパクトを与えていくことを目的とし、東京2020オリンピック・日本のスタートアップ支援等をテーマに掲げて活動。

●      Googleでのイノベーションの起こし方からインスピレーションを得て、人材を可視化して協業を促す従業員向けデジタルプラットフォームの開発・事業展開を目的とし、2020年にBeatrust株式会社を創業。

 

 

第2部:原さんと坂本さんとの対談セッション(抜粋して掲載)

坂本さん:

住友商事を退社して、オファーをもらっていたソロモンブラザーズには行かずにソフトバンクに入社する選択をされましたが、なぜそのようなキャリア上のジャンプを選択されたのでしょうか?そのまま住友商事に残る選択をすれば良い人生が約束されていたと思いますが、損得勘定はありませんでしたが?

 

原さん:

それはとても良い質問であり、とても答えづらい質問でもあります(笑)頭では「スタートアップなんて行くな!」と考えつつ、自分のハートが「行け!」と言っていたんですよね。

スタートアップで働くことに対する理解が当時はありませんでしたからね。住商に入ってMBAを取らせてもらって、周りからも期待して頂いていた中で、投資銀行ではなくスタートアップに転職する、という選択肢は、頭の中では「それはないよな」と思っていました。家族や両親からも大反対されましたしね。

ただ、最後は自分のハートが「行け!」と言ったんですよね。チャレンジが許される年齢で、失うものはないと考えて、自分の本心に従ってこのキャリアを選択しました。

 

坂本さん:キャリアの選択の仕方として、長期の目標を立ててそれに向かって頑張るというタイプの人と、その場その場で面白いことをやるというタイプの人がいると思いますが、原さんはどちらのタイプですか?元々、起業することを目標にされていたんでしょうか?

 

原さん:

格好よく言えばシナリオがあったと言えばあったんですが、本音としては、その場の色々なご縁の積み重ねがあってこのようなキャリアになったと思っています。

住商からソフトバンクへの転職は自分にとって予想外のジャンプでしたが、その後のIT業界でのキャリアは、自分なりに常に考えて設計しながら歩んできたつもりです。色々なことを経験したかったので、日本の大企業→日本のスタートアップ→外資系の大きな会社という順番で働きましたが、そこで感じたことは「あとは自分で起業するしかないな」でした。

(Googleで働いたあとの)最後の起業は、自分がやれることを総動員して何か日本のためになることをやりたい、という想いから会社を作りました。また、Googleでスタートアップ支援をする中で、グローバルを目指すスタートアップが少ないことを強く感じていたため、自分がそのロールモデルになれれば、という想いもありました。

 

 

坂本さん:

キャリアを選ぶモチベーションは、年齢を重ねるごとに変わってきましたか?40歳くらいの時はどういったモチベーションで働き、キャリアを選ばれていましたか?

 

原さん:

シリコンバレーで独立してコンサルティング会社を起業したのがちょうど40歳ぐらいでした。振り返ってみると、自分がやってきたことの積み重ねを活かして、自分がやれることを粛々とやっていこう、と考えていたと思います。

キャリアに関して1つ言えるのは、「ワクワクすることをやりたい」というのは何歳になっても大事にしています。お金やポジションで自分のキャリアを選ぶことはしないようにしています。

 

 

第3部:参加者からのQ&Aセッション(抜粋して掲載)

参加者からの質問:

スタートアップにおいて、Co-Founderや初期メンバーなど、成長の鍵となるメンバーをリクルーティングする際に気を付けていることはありますか?

 

 

原さん:

今の会社はまだ社員が9名しかいないので、人材は常に探しているのですが、リクルーティングは本当に大変です。ただ、その中でも大事にしていることがありまして、それはカルチャーフィットです。能力があってもカルチャーが合わない社員はネガティブインパクトが大きいので、初期メンバーの50名くらいは、特にカルチャー面を注意して見るのが大事だと信じています。自分たちのやっていることに共感してくれて、仕事が出来るだけじゃなくて人間性が豊かであり、その上で会社のカルチャーとフィットする人材を探しています。喉から手が出るほど人材が欲しい中で、この基準にこだわり続けるのは本当に大変なんですけどね(笑)

 

 

 

 

イベント終了後、参加者から多くのポジティブな感想をいただきました。

  • オーガナイズされており、スピーカーの熱意があってとても良かった。
  • ワクワクすることに挑戦し続ける、という原さんのメッセージが心に染みた。
  • Google等のグローバル大手IT企業での勤務経験に留まらず、3度の起業というユニークな経験をお持ちの原さんの体験談は非常に刺激的であると同時に、様々なビジネスを俯瞰するための視点を私達オーディエンスにも共有して頂けるような、とても学び深い時間でした。

原さんの大変ユニークなキャリアや、そのキャリアに至った熱い想いは、参加者の皆さんが自身のキャリアを考える上での多くのInsightを与えていただきました。大変お忙しいなかご登壇いただき、ありがとうございました。

 

 

Columbia Venture Community (CVC) JAPANの活動について

 

 CVC Japanは2020年6月に立ち上がり、これまでに

  • コロンビア大学卒業生の起業家、スタートアップCEO、VCの皆様に
    参加いただいたパネルディスカッション
  • 昨年IPOを果たしたベンチャー企業の創業者(CBS卒業生)をお招きし、起業からIPOまでのお話をお伺いするトークイベント
  • スタートアップ、VC、アクセラレーター等に勤めるコロンビア大学卒業生8名をお招きして、インターンシップの機会やフルタイムポジションに関してお話をお伺いするキャリアイベント

といったイベントを開催してきました。

ベンチャーコミュニティで活躍されているコロンビア大学卒業生は数多くいらっしゃいますので、
CVC Japanではそのようなゲストスピーカーをお招きしたイベントを今後も定期的に開催していきます。皆さまのご参加をお待ちしております。

 

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